RECARO A8サイドサポートのヘタリ
座面のクリーニングは前回こなしたので、今回は座面右側サイドサポートのウレタンがグナッとしているので、それの修理をしてみた。
サイドサポートの分解から
- 座面を外すと、内側が3箇所フックに引っかかっているので、生地を押すと止まっているところが外れる。
- 座面をひっくり返すと、生地に針金が通りフックに止まっているので、これも押すと外れる。
- フレーム前後に、生地の端っこが裏返しながらテープで止まっているところがあるので、生地が切れないように注意しながら、ペリペリッと引っぺがすとウレタンごとサイトサポートが取れる。
- 生地は、座面の洗濯と一緒の行程で、洗剤を溶かしたぬるま湯に漬けおき、その後ネットに入れて洗濯機で洗濯する。
- 生地の洗濯が終わったら、布団乾燥機とシュラフの袋を活用し、乾燥する。
ウレタン修理
- 洗濯乾燥している間に、前日に用意していたストレッチの効く生地と、生地同士をくっつける接着シート、ウレタンをくっつける接着剤を準備。
- ぱらぱらと、ウレタンくずが出たので、まずは掃除機でゴミを取る。
- 太股の当たる部分が、ウレタンにも汚れが付いていたので、これも丸洗いかと思ったが、乾かすのが面倒だったので、洗剤を染みこませたタオルで丁寧にこすって汚れをある程度落とす。
- 準備した接着剤を、割れた面に沿ってはみ出ない程度に塗りたくって、断面を合わせる。(実は先週ウレタンを接着剤でくっつけてみたが、用途に合わない接着剤だったため、くっつかなかったので、今回はゴム化する接着剤をセレクト)
- ぎゅっと圧をかけて断面を合わせ、更にドライヤーで乾かすと、断面がくっつく。
- ここからは、ウレタンにかかる圧を点から面にするべく、ストレッチの効く生地と、生地同士をくっつける接着シートを活用。
- 現物あわせで、くっつけた箇所より大きめに生地とシートをカット。
- アイロンは中温、スチームをかけながらウレタンにかぶせた生地をプレスしていくと、シートが解けてウレタンと生地がくっつく。
- ストレッチの効く生地のため、曲面に合わせて生地を引っ張りながらプレスすると、曲面に沿ってフィットする。
- ここでストレッチの効く生地を使うことにより、曲面に合わせることが出来ることと、仕上がった面が堅くならないので手触りも修理をしないウレタンと変わらない。(ここがポイント)
- 生地を何個かパーツに分けて貼っていき、更に当て布(焦げ防止)をして接着面が剥がれないように、丁寧にアイロン掛けをする。
- 乾燥が終わった生地を、修理が終わったウレタンにかぶせ、分解と逆の順序で組み込んでいくと完成。
ほぼ新品となる
明らかに、修理前と比べウレタンのエッジが立ち、ほぼ新品となったようだ。あとは、座面と背面を合わせて完成。ウレタン修理と生地の洗濯をすることによって、蘇ったRECARO A-8である。これも満足度が高い仕事であった。
ウレタンがやせていれば、堅さが同じようなスポンジを貼っても、更に良くなると思う。例えば、スピーカー回りに貼る吸音スポンジ(堅め)とかが適任か。
ただ、ちょっと残念なところはウレタンの接着面をもう少し上げ気味にやっていれば、更に仕上がりはきれいになったはずであった・・・
次回は、車に取り付け編(レール加工)であるが、これも一筋縄ではいかなかった・・・
所要時間:6:30〜13:00(朝昼メシ含む、取り外し設置含む)
材料費:生地220円(20cm×140cm)、瀬着シート580円(10cm×40cm 2枚入り)